秋の到来とともに、「学生ビジコン」の季節を迎える。起業を目指す高校生や大学生がビジネスのプランやアイデアを競うコンテストが続々開かれる。グランプリに輝くと最高賞金100万円を獲得できるビジネスコンテストもある。読書、芸術、スポーツ、食欲…何かと「〇〇の秋」と形容されることの多いこの時季、ニューフェースの学生ビジコンを紹介してみると。
「想像力、無限大∞ 高校生ビジネスプラン・グランプリ」。日本政策金融公庫が主催し、今年で第6回となる。全国の高校生(高専は除く)がビジネスプランを競う。9月半ばに応募エントリーを締め切ったばかり。10月10日までにビジネスプランを提出し、書類審査を経て、ファイナリスト10組が2019年1月13日に東大(東京・本郷)で行われる最終審査会に出場する。
安心してコンテストに参加してもらえるよう、日本公庫のスタッフが高校に訪問し、「出張授業」を行い、収支計画の作り方などビジネスプランの作成をサポートしている。前回(第5回)の参加校は385校で、第1回(151校)の倍以上に増えている。優勝者(グランプリ)には奨励金20万円が贈られる。
その名も「起業家甲子園」。高校生や大学生らがICT(情報通信技術)を活用した商品・サービスについてのビジネスプランを競う。総務省と同省所管の情報通信研究機構(NICT)が2012年から主催し、今年で8回目。6月から12月にかけて全国19カ所で地区大会があり、ここを勝ち抜いたグループが2019年3月都内で開かれる全国大会に臨む。大賞として総務大臣賞が贈られる。
「TOKYO STARTUP GATEWAY」は東京都による起業家支援プログラムに基づき2014年にスタートした。15歳~39歳までの都内で起業を目指すアイデア・プラン段階の個人を対象としている。現在、第2次審査段階に入っており、選ばれたファイナリスト10人が12月1日の決勝に出場する。ファイナリストには短期集中型の創業支援メニューを提供し、プランを練り上げる。最優秀者には賞金100万円が贈られる。
民間ベースの学生ビジコンとして“最高峰”とされるのが「キャンパスベンチャーグランプリ(CVG)」だ。CVGは大学、大学院、短大、高専、専門学校の学生が対象とする。日刊工業新聞社が事務局を務め、北海道から九州まで全国8地区で開催している。CVGは大阪地区が始まりで、今年で20回の節目を迎える。他地区も15回以上を数える。
CVGは現在、各地区で応募受付中で、書類審査やプレゼンテーション審査を経て12月中に入賞者を決めるスケジュール。各地区大会の上位入賞の13~15組が出場する全国大会は2019年2月に都内で開かれ、大賞として経済産業大臣賞、文部科学大臣賞が贈られる。
CVGの中でも激戦地は第15回となる東京大会。数次の書類審査の後、11月5日にセミファイナル、同25日にファイナル(最終審査、10組)が予定される。昨年は応募162件・52校の中から、筑波大学のチームがグランプリ賞金100万円を獲得した。CVG東京の出場者にはその後、株式上場を果たした“先輩”もいる。
ベンチャー支援の旗振り役の経済産業省が2012年に始めた学生ビジコン「ユニバーシティベンチャーグランプリ(UVGP)」は、2017年にCVG全国大会に統合される形で姿を消した。
文:M&A Online編集部