第6回「事業再構築補助金」の公募を開始、要件緩和など拡充へ

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「事業再構築補助金」第6回の公募を開始

経済産業省は3月28日、2020年度第3次補正予算・2021年度補正予算「事業再構築補助金」の第6回公募を開始した。ポストコロナ・ウィズコロナ時代を見据えて新分野展開や業態転換、事業・業種再編などに取り組む中堅・中小企業への支援を継続する。第6回公募以降では、事業類型や要件を大幅に変更し、使い勝手を向上させる。

事業再構築補助金は、補助事業終了後3~5年間で付加価値額(または従業員1人当たりの付加価値額)の年率平均3.0%(一部5.0%)以上の増加などを目標としている。2020年度第3次補正予算案では1兆1485億円、2021年度補正予算案では6123億円を計上した。

「通常枠」コロナ禍の売上高減少は不問も、上限額は見直し

第6回公募では売上高減少要件を緩和し、既存の「通常枠」は「2020年4月以降の連続する6カ月間のうち、任意の3カ月間の合計売上高がコロナ以前(2019年または2020年1~3月)と比較して10%以上減少」のみとした。これにより、2020年10月以降の売上高が落ち込まなかった事業者も申請できるようになる。

従来の通常枠の補助上限額は従業員数20人以下が4000万円、21~50人は6000万円、51人以上は8000万円だったが、20人以下は2000万円、21~50人は4000万円、51~100人は6000万円に見直した。限られた財源で1件でも多くの事業者を支援するためで、8000万円の交付は101人以上のみとなる。補助の最低額はいずれも100万円で、補助率は中小企業が3分の2、中堅企業は2分の1。

「回復・再生応援枠」を新設、業況が厳しい事業者を支援

新設された「回復・再生応援枠」は従来の緊急事態宣言特別枠に代わるもので、業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者を支援する。補助上限額は従業員数5人以下が500万円、6~20人は1000万円、21人以上は1500万円。補助率(中小企業4分の3、中堅企業3分の2)は通常枠より手厚くした。

「回復・再生応援枠」の申請には通常枠の要件に加え、「2021年10月以降のいずれかの月の売上高が前年か前々年の同月比で30%以上減少」「中小企業再生支援協議会スキームなどに則り再生計画を策定(詳細要件は検討中)」のいずれかを満たす必要がある。一方、緊急事態宣言特別枠の申請に必須だった主要な設備の変更は求めないことにした。

最大1億5000万円の「グリーン成長枠」を創設

また、従来の卒業枠・グローバルV字回復枠は廃止し、補助上限額を最大1億5000万円に引き上げた「グリーン成長枠」を創設。対象となるのはグリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題解決に資する取り組みを行う事業者で、通常枠の売上高10%減少要件は課さない。

「最低賃金枠」「大規模賃金引上枠」は継続。事業再構築で新たに取り組む事業の売上高が総売上高の10%以上となる事業計画を策定する要件(新事業売上高10%要件)について、付加価値額の15%以上でも認めるといった緩和策を適用する。

最大20社まで連携して申請

このほか、運用に関しては複数企業等連携型を新設。各申請類型の上限額をリミットとして、最大20社まで連携して申請することを認めて一体的に審査する。この場合の売上高10%減少要件は、個別か連携体合算(同月)のいずれかを満たせば要件をクリアしたとみなす。

5月下旬以降に申請受付を開始

第6回公募の締め切りは6月30日で、申請受付は第5回公募の採択結果を発表する5月下旬から6月上旬の開始を予定。2022年は、さらに3回程度の公募を見込んでいる。

文:M&A Online編集部

関連リンク:
令和2年度第3次補正予算・令和3年度補正予算「事業再構築補助金」の第6回公募が開始されました (METI/経済産業省)
事業再構築補助金(事業再構築補助金事務局)