親父いつ社長やめるの?| 編集部おすすめの1冊

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数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A Online編集部がおすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するものはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識や教養として役立つ本も紹介する。

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親父いつ社長やめるの? -創業者があなたに事業承継しない決定的な理由-
鈴木浩文 (著)アチーブメント出版

著者の鈴木浩文氏は税理士。2018年に大きな改正があった事業承継税制について、顧客から相談を受けている中で、事業承継に悩んでいる企業が多いことに気づき、書籍にまとめ上げた。 

創業社長の親が子息に会社を承継するケースを想定し、税理士として1500社以上の会社にかかわってきた経験をもとに、うまくいった事業承継の事例などを交えながらポイントを解説する。 

「うまくいっている会社は後継者を育成しており、育成しようと努力している。事業承継の問題は人の感情を振り回し、振り回され続けるものと言っても過言ではない」と断言。さらに経営者にとって重要なのは稼ぐだけでなく、しっかりとお金を残し、後継者を育成することと力説する。 

一方、会社を引き継ぐ側にとっての事業承継の究極の答えは「迷ったら、親孝行」だという。親孝行こそが事業承継を成功させる最強の経営戦略であるとし、その理由として親子で上司部下の関係だと意見が食い違って対立することがあるが、その時に親孝行と考え、父親が喜ぶような選択をすることで問題を解決できるという。 

書籍は第1章で現在、後継者の決まっていな中小企業が多く、大量廃業時代がやってくることを説明。第2章で事業承継税制の特例措置について解説。第3章以降で「ナンバー2が成功の鍵を握る」「OSが固まればどんなビジネスもうまくいく」「永続する会社の作り方」「特例を活用して会社を受け継ぐノウハウ」などで構成した。

著者は事業承継税制の改正について、これは政府による大キャンペーンだとし、このキャンペーンを活用して人やリーダーシップの問題を解決し、事業承継を成功させてほしいと結ぶ。定価1300円(税抜き)。

親父いつ社長やめるの?

文:M&A Online編集部