ひょっとして東京の珍風景の一つ? 日頃、競合関係にある三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行の看板が通り沿いに仲良く並んでいる。その様子は金融関連のニュースを伝える際、新聞、テレビなどでしばしば取り上げられるので、おなじみかもしれないが、実は意外な場所にある。
ここは東京のウオーターフロント。東京メトロ有楽町線・豊洲駅(江東区)を降りると、駅直結の豊洲センタービルがある。ビルにはNTTデータが本社を置く。近くには、楽しみながら仕事体験ができる「キッザニア東京」や、総合重工業メーカーIHIの本社がある。
例の4行の看板は豊洲センタービルが建つ豊洲交差点の一角、晴海通りに面して立っている。
同ビル1階に、みずほ銀行は「豊洲支店」、りそな銀行は「セブンデイズプラザとよす」を置くが、いずれも資産運用や住宅ローンなどに関する相談業務に特化し、一般の窓口業務を行っていない。三菱UFJ銀行、三井住友銀行は地下1階にATM(現金預け払い機)コーナーを置く。有人、無人店舗の違いがあるが、大手同士が4行も呉越同舟する形なのだ。
1990年代まで20行を超えた大手銀行は都市銀行、長期信用銀行、信託銀行の再編を経て現在5グループに集約されている。三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクと、りそな銀行、信託専業の三井住友信託銀行がそれだ。
東京商工リサーチが8月初めに発表した「メインバンク調査」(傘下行を含む)によると、大手銀行の順位が入れ替わった。
1位の三菱UFJフィナンシャル・グループ(12万6284社)、2位の三井住友フィナンシャルグループ(9万8807社)は不動だったが、前年調査で4位だったりそなホールディングス(8万1351社。りそな銀行は3万8698社)がみずほフィナンシャルグループ(8万762社、みずほ銀行は8万620社)を3年ぶりに逆転して3位となった。
文:M&A Online編集部