アップル「お正月特売」で見えた!「iPhoneSE2」の出番

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「iPhone SE2」の発売が間近なようだ。その「根拠」となるのが、2020年1月2日に実施したAppleオンラインストアでの初売り。普段は1円の値引きもしないアップルだが、この日に限り対象商品に「Apple Storeギフトカード」がつく。今年は「8」「8 Plus」、それに「XR」がiPhoneの特売対象機種となり、それぞれ6,000円分のApple Storeギフトカードがついた。

初売り特売から見えるiPhoneの「世代交代」

それがなぜ「SE2」の発売に結びつくのか?実は初売りで特売対象となる機種は、少なくとも今後2年以内に消えるからだ。2017年に再開した特売の対象は1世代、もしくは2世代離れた旧機種。過去に廃番となった機種では「7」「7 Plus」が3回、「SE」と「6s」「6s Plus」が2回ほど特売の対象になっている。

今年の特売対象となった機種のうち、「8」「8 Plus」は特売2回目であり、次回新型iPhoneの発売で廃番になるのは確実。唯一、3回も特売対象になった「7」「7 Plus」は2018年に廉価モデルの「SE」が廃番となり低価格製品のラインナップが不足したため、販売が継続されたと考えられる。

特売一覧
特売対象機種(対象となった回数) 廃番機種(同) 新発売機種
2016 特売なし 6/6 Pius - - SE 7/7 Plus
2017 7/7 Plus(1) SE(1) 6s/6s Plus(1) 5S - - 8/8 Plus X
2018 6s/6S Pius(2) 7/7 Plus(2) SE(2) 6s/6s Plus(2) SE(2) X XS/XS Max XR
2019 7/7 Plus(3) 8/8 Plus(1) - 7/7 Plus(3) XS/XS Max - 11 11 Pro/11 Pro Max
2020 8/8 Plus(2) XR(1) - 未定 未定 未定 未定 未定
*()がない機種は2017年以降の特売なし

「特売」は在庫削減を急ぐシグナル

なぜこのようなことが起こるのか?初売りの話題づくりもあるが、旧モデルの在庫を処分する意味もある。つまり、アップルは「8」「8 Plus」と「XR」の在庫一掃にかかっているということだ。順当にいけば「11」が2021年初売りに加わり、「XR」との二本立てとなる。

だが「XR」はiPhone史上、最も人気がなかったモデル。新発売からわずか1カ月後にはアップルが異例の販売促進費を通信キャリアに支払い、事実上の値引きによる販売台数の底上げを図っている。在庫も圧縮しているはずで、年内に売り切って2021年の初売り特売には登場しない可能性が高い。

さらに最上位モデルの「X」と「XS」は新型モデルの発売と同時に廃番となっており、現行の最上位モデル「11 Pro」「11 Pro Max」も特売りはないと考えるのが自然だろう。そうなると、過去の初売りのようなiPhoneの複数出品は不可能になる。そこで「XR」の穴埋めとなるのが「SE2」だ。

「SE2」の販売価格は399ドル(約4万3000円)からと、「8」の5万2800円(税別)から、「XR」の6万4800円(同)からと比べても安いとの予想もある。それでいてCPUは最新モデルの「11」や「11 Pro」「11 Pro Max」と同じA13 Bionicチップを搭載する高速処理可能なスマートフォンになりそう。

「SE2」が「11」に劣るのは主にカメラの数(「SE2」はシングルカメラ、「11」はデュアルカメラ)だけ。カメラ機能が「SE2」と同等の「XR」では、価格を「SE2」並みに値下げしても販売は振るわないはずだ。2021年のアップル初売りでは「11」と「SE2」のそろい踏みがみられそうだ。

文:M&A Online編集部