今後、M&Aを進めていく上で必要となる“軍資金”については、同社の自己資本比率がここ最近50%程度で安定している状況から判断するとある程度の大型案件であっても対応は可能とみられる。また、ALSOKは02年に上場して以降、エクイティファイナンスを1度も行っていない。こういった背景から見ても大型案件への対応能力は十分にある。

 さらにセコムがセキュリティーを軸にしながら、不動産、地理情報、保険から医療に至るまで広範囲なM&Aを行っているのに対して、ALSOKのM&Aの対象はかなり絞り込まれている印象があるが、経営資源の分散を防ぐにはこれぐらい絞り込むのはいいことなのかもしれない。

 ただ、盤石に見えるALSOKだが、気がかりな点もある。15年3月期にのれんが期首の7億円から111億円(16年3月期末でも101億円)と急増している点だ。原因は日本ビルメンテナンス、HCM、アズビルあんしんケアサポートと大型買収が相次いだことである。急増したとはいえそれでも総資産に占める割合は3%程度であるため、危険ラインにあるとは言えないが、今後買収した企業の経営が想定どおりに進展しない場合には思わぬ減損損失の計上を余儀なくされる可能性もある。今後は買収した会社のマネジメント能力が問われることになる。

この記事は、企業の有価証券報告書などの開示資料、また新聞報道を基に、専門家の見解によってまとめたものです。

まとめ:M&A Online編集部