税理士を中心とした会計事務所の経営課題の解決を支援する株式会社アックスコンサルティング(東京都渋谷区)。その一部門としてスタートしたのが会計事務所M&A支援協会だ。

前田浩輝氏は会計事務所M&A支援協会の資産承継コンサルティング事業部 主任コンサルタント。「いま、会計事務所でも高齢化が進み、その事業をどう承継するかは必須の課題になっています」と語る。

しっかりした会計事務所ほど、“本気度”は高い

ーひと言でいうと、現在はどのような方法で支援を行っているのでしょうか。

税理士・公認会計士をはじめとした会計事務所の事業承継のお手伝いをさせていただいています。事業承継にもいくつかの方法がありますが、その中で、主に第三者承継として、他の事務所に事業を引き受けていただくM&Aの支援を行っています。

具体的には、会計事務所の所長の希望を聞いて引受先を探すM&Aの「仲介」という立ち位置です。仲介役として、どのような事業承継・M&Aが最適かをアドバイスしていくのが仕事です。

アックスコンサルティングとしては、いつ頃から始められた事業でしょう?

明確に「会計事務所M&A支援協会」という名称でスタートしたのは2009年からですね。それまでは2000年あたりからでしょうか、税理士の先生方と研究会・勉強会を開いて税理士の後継者問題について研究したり支援を行っていました。ただ、まだ、その頃は「会計事務所のM&A」といっても、あまり馴染みがなかったのも事実です。

ーその会計事務所のM&Aは、いまやどんな士業事務所でも考えるべき喫緊の課題となっています。その背景・経緯について教えてください。

大きな背景としては、会計事務所の所長の高齢化があります。会計事務所の所長の過半数が60歳以上と言われています。このデータからも、必然的に、事業承継を迎える事務所が増えてきた点が、まず挙げられます。

アックスコンサルティングは会計事務所の事業や業績の拡大支援がメインですから、第三者承継やM&Aでも事業を拡大させる観点が大事で、それを支援していくというビジネスになります。

また、背景としては一般の中小企業でも、同じような後継者問題が社会的な課題となっており、その解決策としてM&Aに関する興味・関心がここ10年、20年で高まってきたことがあるでしょう。

ーたしかに、かつてはM&Aというと、超大手企業同士の合併や事業の売買というイメージが強いものでした。

それが、一般の中小企業でも事業の承継対策、また拡大戦略の一つとして認識され、M&Aに興味のある事業者が売り手・買い手ともに増えてきた。さらに会計事務所の所長も自分の事務所の課題として考えるようになってきた、ということだと思います。

ーところで、事業承継・M&Aへの対応について、会計事務所の地域差や規模の差といったものはありますか?

実感としては、地域差はほとんどありません。事務所数の多い首都圏に需要が集中しているのは事実ですが、他の地域でもニーズは高い。実際の案件ベースでみると、首都圏と他の地域が半々といったイメージです。

会計事務所の規模による意識の差でいうと、単純に大きな事務所のほうが“本気度”は高いようです。たしかに、所長お一人で経営している事務所に比べると、職員やスタッフを数名雇用している事務所のほうが顧問先も多いため、「顧問先や職員の雇用を守らなくては」というお考えの所長が多いです。また、規模の大きな事務所は、その地域経済に欠かせない存在にもなっています。すると、先々、事務所をどう承継させていくのかと本気になって考えるものです。

株式会社アックスコンサルティング 前田浩輝氏
アックスコンサルティング 前田浩輝氏