ゴルフ場運営のアコーディア・ゴルフ(東京都品川区)は2022年10月1日に、同業のネクスト・ゴルフ・マネジメント(東京都品川区) を吸収合併する。
両社が一体となって保有するゴルフ場、ゴルフ練習場でのオペレーションを統一することで効率的な経営を実現するのが狙いだ。アコーディア、ネクストの両ブランドは維持し、それぞれで事業を展開するという。
アコーディアとネクストは、2019年に独立系PE(プライベートエクイティ)ファンドのMBKパートナーズ(東京都千代田区)の下で兄弟会社となり、2022年1月に米投資会社のフォートレス・インベストメント・グループ LLC(ニューヨーク)が両社の株式を取得した。
当時、フォートレスは日本で「159のホテルを取得(契約中を含む)している」としており、ホテルとゴルフ場を連携させ、新規顧客の獲得に取り組むほか、積極的にゴルフ場やゴルフ練習場を買収し、事業規模を拡大していくとの考えを示していた。
すでに両社は、本社を同じ場所に構えており、今年6月30日には日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)出身の石井歓氏が両社の社長に就任し、新しい経営体制に移行している。
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現在、アコーディアは132のゴルフ場と25のゴルフ練習場を、ネクストは37のゴルフ場と2つのゴルフ練習場を運営(2022年 7月22日時点)している。
フォートレスが両社の株式を取得すると発表した2021年11月時点で、両社合わせて169のゴルフ場と27の練習場を運営しており、これまでの間にゴルフ場の売買はあったものの、事業規模は変わっていない。
アコーディアでは合併によって運営施設数が国内第一位(6月末時点のパシフィックゴルフマネージメント<PGM、東京都台東区>のコース数は146)となり、利用者数は年間延べ1200万人以上、従業員はグループでパート、アルバイトを含め約1万300人に達するとしている。
今回の合併は、経営の効率化を目的に上げているが、フォートレス傘下で半年ほどが過ぎ、新たな体制に移ることで、並行して当初の目的であるゴルフ場などの買収による事業規模の拡大にもアクセルが踏まれることになりそうだ。
文:M&A Online編集部