スター精密<7718>、米投資ファンドTaiyo Pacific PartnersによるTOBを受け入れて株式を非公開化

自動旋盤などの工作機械を製造するスター精密は、米投資ファンドTaiyo Pacific Partners L.P(TPP)によるTOB株式公開買い付け)を受け入れ、株式を非公開化する。スター精密は自社を取り巻く環境の厳しさについて言及。欧米で競合他社は積極的に投資を行い、価格競争を仕掛けてきていること、世界最大の市場となる中国ではリーティングポジションを他社が確立していること、有望市場のインドでは他社が先行して生産体制を築いていること、競合大手が高付加価値な五軸加工機などの高機能機器で製造ライン全体を請け負うソリューションに注力しているなど、切迫した経営課題があると認識する。TPP傘下で経営管理に係る重要指標の見える化や資本配分の高度化、欧米でのエリア戦略の再設計などを進めることが企業価値向上につながると判断した。

TPPは現在、スター精密の株式36.14%を保有しており、TOBによって残りの全株式を取得する。

スター精密は賛同の意見を表明し、株主にTOBへの応募を推奨している。TOBが成立すれば、同社の東証プライム市場への上場は廃止となる。

買付主体はTPP傘下のソルスティシア(東京都港区)。買付価格は1株につき2210円。TOB公表前開場日の終値1691円に30.69%のプレミアムを加えた。買付予定数は3118万3272株。下限は所有割合30.52%にあたる1480万700株。TOBによる買付代金は約689億円。

買付期間は11月13日~12月25日の30営業日。決済の開始日は2026年1月6日。公開買付代理人はみずほ証券で、復代理人は楽天証券。

スター精密は1947年に創業。1981年に名証2部に上場し、1984年に名証1部に移行(2006年に上場廃止)。1990年に東証1部に上場(2022年4月に東証プライム市場に移行)。