マンダム<4917>、MBOで株式を非公開化

男性用化粧品大手のマンダムは、現行の中期経営計画で、日本事業とインドネシア事業の収益性改善、ASEAN(東南アジア諸国連合)での事業推進を進めているが、日本市場の成長ペースの鈍化、東南アジア市場の競争環境激化などにより、従来のビジネスモデルを維持するだけでは競争優位性を保つことが難しいと判断。短期的な業績変動に左右されず、長期的な成長戦略に集中できる経営環境の整備が必要と考え、株式の非公開化を決断した。

英国の投資会社CVCキャピタル・パートナーズ傘下のファンドが、創業家との協議に基づき、MBO(経営陣による買収)の一環としてTOB株式公開買い付け)を実施する。

買付主体はカロンホールディングス(東京都千代田区)。買付価格は1株につき1960円で、公表前営業日の終値1503円に対して30.41%のプレミアムとなる。買収総額は約793億円。

買付予定数は4046万7222株で、下限は2528万5200株(所有割合56.02%)。応募が下限に満たない場合は買い付けしない。買付期間は2025年9月下旬の開始を予定しており、30営業日を予定。公開買付代理人は野村証券を起用する方針。

TOBが成立すれば、マンダムの東証プライム市場への上場は廃止となる。マンダムはTOBに賛同を表明し、株主に応募を推奨している。本取引成立後も、現経営陣が引き続き経営にあたる予定。

創業家の資産管理会社などが保有する約10.4%はTOBに応募せず、TOBの終了後、カロンホールディングスがマンダムを吸収合併し、新社となる。新社の親会社カロンJグループホールディングスと創業家の資産管理会社などとの間で株式交換を行った後、現経営陣がカロンJグループホールディングスに再出資し、創業家一族の持ち分は合計34.0%となる予定。

マンダムは1927年に金鶴香水株式会社として設立。1971年に現社名に変更。2002年に東証二部に上場し、翌年に東証一部に昇格(2022年4月に東証プライム市場に移行)。