オフィスデザインや商業施設の空間デザインを手がけるドラフトは、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化し、短期的な株式市場の評価に左右されない経営体制の構築を目指す。具体的には、中長期を見据えた新規案件の獲得やブランド力向上のための組織づくりと周辺ビジネスへの進出、海外展開の強化など掲げている。ドラフト創業者で代表取締役の山下泰樹氏が設立したチンクエチェント(東京都新宿区)がTOB(株式公開買い付け)を実施する。
買付価格は1株につき750円で、公表前営業日の終値569円に対して31.81%のプレミアムとなる。買付代金は約36億9000万円。
買付予定数は492万3500株で、下限は156万700株(所有割合15.47%)。買付期間は2025年8月15日~9月29日までの30営業日。決済の開始日は10月6日。公開買付代理人は東海東京証券(復代理人はマネックス証券)。ドラフトはTOBに賛同を表明し、株主に応募を推奨している。ドラフトの東証グロース市場への上場は廃止となる。
山下氏の資産管理会社のTDAは所有する株式51.20%をTOBに応募せず、TOB終了後にドラフトが実施する自己株式取得に応じて一部の株式を譲渡する。その後、チンクエチェントが株式交換により同社を完全子会社化する形となる。
ドラフトは2008年設立にオフィスデザインを主な目的として設立。2020年に東証マザーズ市場に上場(2022年4月に東証グロース市場に移行)。