昨年より14.5%アップも!止まらない「初任給引き上げ」の波

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初任給引き上げで新卒者の争奪戦が激しく(写真はイメージ)

少子化に伴う新卒者不足から、初任給引き上げの流れが止まらない。ボルテージ<3639>は19日、大学卒初任給を現行の24万100円から、3万4930円(14.5%)増の27万5030円に引き上げる。併せて全社員を対象に年間平均4.6%のベースアップ(定期昇給などを含む)を実施するが、初任給の引き上げ率の方が、かなり高い。

「人材争奪戦」で初任給がアップ

初任給引き上げは、すでに日本企業のトレンドだ。民間調査機関の労務行政研究所によると、今年4月の東証プライム上場企業157社に入社した新卒社員の初任給を「全学歴引き上げ」た 企業は70.7%(速報値、以下同)で、 前年度の41.8%から28.9ポイント上昇した。一方、「全学歴据え置き」 は26.1%となり、 前年度の49.7%から23.6ポイント低下している。

大卒初任給の全産業平均は22万5686円と前年度を3.1%上回っている。高卒(18万3388円、前年度比3.7%増)、短大卒(19万5227円、同3.5%増)、大学院修士修了(24万3953円、同3.2%増)など、すべての学歴で初任給は前年を上回った。

少子高齢化に伴う労働力人口の減少は、仮に出生率が今年から急上昇しても2040年代前半まで続く。景気の動向にも左右されるとはいえ、人手不足感は高まりこそすれ解消しないだろう。解決策としては外国人労働者の受け入れ増と省力化投資しかない。

ただ、すでに先進国や中国では人口減少期に入っており、グローバルな「労働力争奪戦」が始まっている。日本は円安と賃金水準の伸び悩みで途上国の外国人労働者にとっても魅力的な国ではなくなっており、これからの増加は見込めない状況だ。

省力化もデジタル化で対応できる領域では限界まで進んでおり、大きな人員削減効果は期待できない。さらに踏み込んだ省力化には、多大なコストがかかる問題もある。残された解決策はM&Aで企業規模を拡大し、給与水準を大幅に引き上げたり、人材を融通したり、あるいは省力化投資を積み増したりする「拡大戦略」しかなさそうだ、

M&A Online