「M&Aコンサルタントという仕事」|編集部おすすめの1冊

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数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A Onlineがおすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するものはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識として役立つ本を紹介する。

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「M&Aコンサルタントという仕事」牟禮 知仁 著、幻冬舎 刊

「M&A業界は高収入らしい」とM&Aコンサルタントの仕事に興味を持つ人が増えているという。受け皿となるM&A仲介会社の数もこの10年で4~5倍と右肩上がりに増えており、未経験者の採用も経験者の中途採用もどちらも活況らしい。入社1年目の(目安)年収は500万~1000万円程度、2年目で1000〜2000万円、3年目以降は優秀な方で3000〜5000万円、億を超える社員もいるそうだ。

M&Aコンサルタントという仕事

M&A仲介会社を興した現役M&Aアドバイザーが書いた「M&Aコンサルタントという仕事」というタイトル通り、M&Aアドバイザーがどんな仕事なのか、どんな資質が必要なのかが書かれている。

本書は30歳の業界未経験の元ITエンジニアが、失敗を繰り返しながらM&Aの真のメリットを理解し、M&Aコンサルタントとして一人前になるまでのストーリーが描かれている。

ストーリーの場面ごとにM&Aコンサルタントとして必要な知識が解説されているため、実務の作業などがイメージしやすい。物語も奇をてらったものではなく、M&Aの交渉でよくあるケースを紹介している。

著者は今後のM&A業界について、事業承継型M&Aが徐々に減り、代わって成長型M&Aの割合が増えるだろうとみている。長くこの仕事を続けたいなら、成長型M&Aを担えるだけの知識を身に着けてキャリアを重ねるのがよいだろうとのこと。

筆者のメッセージとして一貫しているのは、「ズルい近道」を求めず、愚直に自己成長を続けるべきとの主張だ。意を返せばそうでない人、例えば、本書にも出てくるような器用にその場を立ち回れる人もこの業界に多いということなのかもしれない。

さて、あなたはどんなM&Aアドバイザーになりたいのか。「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、転職前に読んで欲しいおすすめの一冊である。(2023年7月発売)

文:M&A Online